公益社団法人京都青年会議所

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BELIEF

京都青年会議所
理事長所信

公益社団法人 京都青年会議所
2021年度 理事長所信

律心動

「唯一の存在へ」 ~今を捉え未来へ躍動しよう~

第70代理事長 石山 慶

基本方針

 
 
  1. 創立70周年に関連する事業の展開と新行動指針の発信
  2. 自己を律し、地域を牽引するリーダーの育成
  3. 次代へつなげる人材の発掘(会員拡大)
  4. 唯一の存在となる、ひとづくり・まちづくり運動の展開
  5. JCI・JCI日本・近畿地区(協)京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援
  6. 高い志を持った公益社団法人としての運営

今、何を思うのか?私たちが先頭に立ち、明るい豊かな社会の実現を目指す

2020年、爆発的に拡大した新型コロナウイルス「COVID-19」は、世界中の人々を出口の見えないトンネルへと追いやった。このパンデミックによって社会・経済・国家が危機的状況に陥り、情報が錯綜するまま、新しい生活様式のもと時間が過ぎている。この危機的状況と日々変化していく情勢をどのように捉えるべきなのか。1951年、戦後の荒廃した世の中で、京都青年会議所を立ち上げた私たちの先人は、どのように考え、行動したのであろうか。
戦後の危機的状況から立ち上がるために、先人は暗澹たる状況でも「日本を復興させたい」という強い覚悟で、勇気を出して一歩を踏み出し、続く先人たちは歩みを止めることなく、明るい豊かな社会の実現のために努力を惜しまなかった。

日本人には、自身と向き合う心、仲間を大切にする心、隣人を敬う心、感謝する心など、これらの「目に見えない心」を大切にする精神があった。その精神があったからこそ、我が国の独自性と、他国文化を受け入れ深化してきた多様性が、脈々と受け継がれてきたレジリエンスと切り拓く力につながってきたのではないだろうか。
近年、疫病の流行だけでなく、異常気象、いじめや不登校、少子高齢化など様々な問題があるが、まずは世の中を冷静に捉え、自身にできることを考え、責任を持って行動することが、住み暮らす地域の未来へとつながるのではないだろうか。
様々な困難を克服し、新たな未来を創造し行動するには、今こそ原点に立ち返り、「目に見えない心」を持って、勇気を出して一歩を踏み出すことが大切です。京都に住まう私たちが、この地域を愛し、先頭に立ち行動を起こしましょう。

律心動

心には、他者に向ける心と、自身に向ける心があります。目配り・気配り・心配りといった他者を慮る心のあり方を一人ひとりが大切にできれば、ひととひとはつながり、心と行動が進化した、より明るい豊かな社会にすることができます。そのためにまず私たちは、自身に向ける心、「律する心」を大切にして参りましょう。

律するというのは、自己を顧みて冷静に見つめることであり、律することで考えや行動をコントロールすることができます。自己を見つめる客観性が、自身を捉え、状況を捉え、未来を捉えます。私たちが、京都のひととまちのために運動を進めようとしている今、自身のことだけではなく、他者の未来をも描こうとしているのだからこそ、他者を慮り、誰よりも律する心を養い、リーダーとして、まちのために動き出しましょう。その心と行動を伝える「律心動」が、地域の発展につながるのです。

プロセスを大切に行動する

私たちが唯一の存在となるためには、 地域の課題を解決へ導くことはもとより、解決までのプロセスを大切にしなければなりません。自己を律することで、より自身の考えを深め、課題解決へ向けた新たな価値観や創造力が生まれます。私たちが「律心動」の精神を携え、プロセスを大切にすれば、ゼロからイチを生み出すエネルギーとなり、さらなる自己の成長とまちの未来への投資につながります。今こそ、「律心動」の精神を携えた私たちが、ひたむきに汗をかき、地域を牽引するリーダーとなり、歩みを止めることなく、今を捉え未来へ躍動して参りましょう。

唯一の存在へ

「明るい豊かな社会の実現」に向けて若き青年が力を結集した「JCIしかない時代」から、様々な価値観が生まれ「JCIもある時代」へと時代が移り、今、私たちは存在意義を明確に示す時を迎えています。地域にある課題を解決するために、切り拓かれてきた先人の精神を受け継ぎ、他にはないゼロからイチを生み出す創造力と実行力で、唯一の存在となるよう、この地域に必要とされる運動を展開して参りましょう。そして、多くの共感を京都青年会議所に集め、地域における唯一無二の存在になりましょう。

新型コロナウイルスとの共生

私たちが新型コロナウイルスと共生し、これからの活動や運動を展開するためには、新しい手法を用いていかなければなりません。私たちだからこそ発揮できる創造力と実行力を駆使し、型にはまらないフレキシブルなアクション(動)を起こして参りましょう。ウィズコロナ時代に、私たちが安全に事業を展開できるよう、メンバー一人ひとりが知恵を絞り、地域に提言ができるようにして参りましょう。

創立70周年に関連する事業の展開と新行動指針の発信

1951年7月21日、日本青年会議所19番目の青年会議所として京都青年会議所は誕生しました。70年の節目を迎える今、創始の精神を感じ、歩みを進めていくことが、次代を担う私たちの第一歩だと考えます。移りゆく時代の中でも、私たちの先人は挑戦することを止めず、次代を見据えた運動を展開されてきました。JCI宣言文が改訂され、新たな時代へと進むべく、青年会議所の理念と私たちJAYCEEの心を大切に、地域の明るい未来へ躍動して参りましょう。

70周年記念式典では、京都青年会議所が展開してきたこれまでの歴史を見つめ直し、地域に根差した運動が、さらなる発展を遂げる機会となるよう、メンバー一同で力を尽くして参りましょう。そして、行政・各諸団体との連携をより深め、この地域で70年もの歴史を創り、運動をさせていただいていることに感謝の意を示して参りましょう。そして、新行動指針を発信し、70年の節目に目指すべき展望を描きましょう。先人の功績に感謝と敬意を払い、メンバー一人ひとりが誇りを持ち、地域のリーダーとして、地域に必要とされる団体となるべく、歩みを進めて参りましょう。70周年記念事業では、唯一の存在となる京都青年会議所の運動を、新たな時代に向けて発信して参りましょう。

自己を律し、地域を牽引するリーダーの育成

地域の明るい未来を実現するためには、私たちが地域を牽引するリーダーとなる必要があります。メンバー一同が会する例会では、「律心動」の精神を養い、プロセスを大切にし、京都のひととまち、そして京都青年会議所の未来を描く創造力を高め、成長と挑戦ができる機会を創出して参りましょう。メンバーシップトレーニングセミナーでは、多種多彩な人材が持つ感性を活かし、私たちが地域に必要とされ、唯一の存在となる新たな事業をとりまとめ、選定し、実行に移す機会を創出することで、メンバー一人ひとりの資質向上を図って参りましょう。

次代へつなげる人材の発掘(会員拡大)

多くの同志でおこなう活動は、様々な意見や考えを吸収し、会員相互の資質を高めることにつながります。私たちは、さらに地域に必要とされる運動の展開を目指し、明るい豊かな社会の実現のために、京都青年会議所に一人でも多くの同志を募って参りましょう。会員拡大は各地青年会議所共通の課題でありますが、地域によって拡大のための手法は様々です。つながりを活かし、地域を超えた情報共有をおこない、明確な目標達成までのプロセスを大切にし、私たちの地域に即した効果的な手法を考えて参りましょう。また、会員拡大について、メンバー全員で考える機会を創出し、常に意識を高く持ち続けられるよう導いて参りましょう。さらに、京都青年会議所のあらゆるネットワークを活用し、新たな手法に挑戦いたしましょう。同志となり得る入会予定者には、青年会議所の基礎知識・京都青年会議所の歴史を学ぶ新たな時代に則したフレッシャートレーニングセミナーをおこない、「律心動」の精神を携え、入会後には即戦力として活動や運動ができるよう導いて参りましょう。

唯一の存在となる、ひとづくり・まちづくり運動の展開

持続可能な開発目標として定められたSDGsに、我が国は政府、企業をはじめ個人にいたるまで、積極的に取り組んでいます。世界共通となった目標を、地域の課題ともリンクさせ、地域と世界のつながりを認識し、ひとづくり・まちづくり運動の根幹とし、その目標を成し遂げて参りましょう。そして、私たちが持つ創造力と実行力で、唯一の存在となる事業に挑戦して参りましょう。
政治参画意識向上につながる事業では、将来への課題やビジョンを聞くだけではなく、市民自ら責任ある言葉で、政治家や専門家に問う機会を創出し、地域の皆様と共に政治参画への重要性と、社会問題解決への糸口を示すことができるようにして参りましょう。

今年度は2011年に発災した、東日本大震災から10年の年月を迎えます。また近年、豪雨災害、台風など、地域を壊滅させる災害が後を絶ちません。それぞれの復興の歩みから得られた地域防災の手法を、行政や専門家の智恵から学んで参りましょう。今後想定される災害規模と被災状況を理解し、「生命と財産を守る」ための備えを進めて参りましょう。

今年度、新たにおこなう青少年育成事業では、70周年記念事業とし、小学生に限らず対象年齢の幅を広げ、「JCIだからこそできる」ことに挑戦して参りましょう。そして、学生や子どもたちの様々な観点から、地域コミュニティーを考え、次代を担う青少年たちが「律心動」の精神を携え、発想力、行動力、個性などを活かせる事業を展開して参りましょう。

わんぱく相撲京都大会では、子どもたちが自己を律し、相手を敬い、相撲が取れるように導いて参りましょう。そして相撲道を通して、子どもたちにさらに高い志と夢を与えられる機会を創出して参りましょう。全国大会では、全国の同志と勝負できることに感謝し、京都代表として高い目標を持って、挑めるように導いて参りましょう。
祇園祭では、自己を律し、これまで受け継がれてきた伝統と歴史を考え、祇園祭に参画させていただけることに感謝し、協力して参りましょう。
時代祭では、先人から受け継がれてきた大役に感謝し、これまでの歴史と京都の文化を見つめ直し、参画して参りましょう。
愛の献血運動では、年間に渡り運動を展開し、私たちの存在意義を明確に示して参りましょう。継続して必要とされる献血の重要性を地域の皆様と考え、行動に移す機会となるよう導いて参りましょう。

広報活動では、地域からさらなる共感が得られるよう、コミュニケーションを重視した、PR(パブリックリレーション)を学ぶ機会を創出し、発信力を養って参りましょう。京都青年会議所のメンバー、ブランド、ひとづくり・まちづくり事業などのあらゆる魅力を抽出し、唯一の存在となるよう展開して参りましょう。また、広報媒体を活用した財源確保の検討を進めて参りましょう。JCIニュースの発刊では、京都青年会議所の「律心動」を携えた活動や運動を地域へつなげ、発信して参りましょう。

JCI・JCI日本・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援

出向には一期一会とする出会いや成長の機会が沢山詰まっています。京都青年会議所はこれまで、JCI・JCI日本・近畿地区(協)京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援をおこなって参りました。そして、メンバーの成長と共にLOMへと還元されてきました。今年度も出向者を輩出させていただくことに感謝の意を持ち、支援をおこなって参りましょう。また、日本青年会議所創立70年という節目に、今年度も京都の地にて開催される京都会議では、「律心動」を携え、より高いおもてなしの心で協力をさせていただきましょう。各種大会では積極的な参加を促し、私たちのまち「京都」を自身とつなげ、発信する機会にして参りましょう。これまで長年友好関係を築いてきた姉妹JCとの交流では、さらに深く世界的な友情を感じる場とし、世界に誇る日本の心を見つめ直す機会にして参りましょう。そして、さらなるグローバルな連携を目指し、新たな姉妹JCI締結の実現につなげるよう活動して参りましょう。

高い志を持った公益社団法人としての運営

私たちは青年経済人として常にリーダーとしての資質を求められています。団体に所属しているだけで満足してはいけません。一人ひとりがさらに高い志を持ち、地域の皆様に寄り添い行動を起こすことで、真に必要とされる団体となるのです。その結果が公共的な利益となり、行政・地域へと還元され、公益社団法人としての名を遂行できます。これまでの事業を外部の観点からご意見を伺う場を設け、私たち自身が運動を見つめ直し、新たに必要とされる事業とプロセスを構築する一助となる機会を創出して参りましょう。公益社団法人に所属していることに責任感を持ち、事業を展開していくうえで、地域に必要とされる団体を目指して参りましょう。また、所属会員が確りと活動に専念できるよう、産休や育休などの制度を採り入れて、現代のニーズに合わせ、積極的な改革を目指して参りましょう。

むすびに

時間を大切にできていますか?

アジアの白い砂浜に、透き通った青い海と静かな波の音。アメリカ南部の川の畔から聞こえるトランペットの音色。穏やかさと、興奮が交差する異国の地での時間。
私が滞在したそれぞれの地では、時期も場所も異なるが、旅行者も地元民も関係なく1分1秒を大切に過ごしているひとびとの姿が鮮明に思い出される。限りある時間を悔いのないよう大切にし、感じたものを素直に受け入れる柔軟性と自分を見つめ直す想像力を大切にできているだろうか。

決断からの可能性

旅は沢山の機会に出会わせてくれる。
ひとの出会い、新たな場所、経験。また、自身を見つめ直し、新たな自身を発見できる様々な機会があり、それらは後の人生に活かすヒントにもつながる。
機会を実行に移すチャンスは沢山あり、機会をどのように活かすかは、自身の心の決断と行動の選択によって大きく左右される。自らの決断に自信をもって、決断から広がる可能性を活かそう。機会に詰まったこの場所から決断をして、切り拓いていこう。

このまちを愛し、京都青年会議所を楽しんでいますか?

このまちに縁があり仲間になった時、これまで出会わなかったひとたちとの出会いにつながりを感じ、これまで考えもしなかったことを仲間と真剣に考え、明るい豊かな未来に期待と夢を抱いたのではないだろうか。地域の発展のために熟慮し、ひととまちの可能性を感じながら、時間が惜しく語り明かしたことが皆さんの人生に響いているだろうか?沢山の周りの方たちからいただいた時間、青年会議所の時間を楽しみ、一人ひとりがこのまちの一番の理解者になり、地域を愛し、地域に愛される人間へとなろう。

動き出そう

流れに任せるだけではなく、流れを創れる人間になる。
このような時代だからこそ、歩みを止めず、初心にもどり、挑戦する。
私たちが示す未来に向かうその一足が道となり、歩んできたその軌跡、その一足が道となる。その道はプロセスとしてこの地域に新たな可能性を生み出し、何より私たち自身の宝となるのです。

まちはまだ眠りの中。鳴らそうあの鐘を。

己を律し、この時代に負けない強い強靭な心と、この地域を愛し新たな時代を切り拓く心を大切に、唯一の存在へ向けて動き出そう。