2012年度理事長所信

個を高め深めよ絆 ─皆がともに輝くために─

自分を見つめると、大切なものが見えてくる。
それは自分が自分であるための、自分との約束ごと。
そして自分を自分らしく輝かせてくれる、ひとやまち。
自分もひともまちも、すべては一つに繋がっている。
だから、
自分を見つめながら、ともに歩もう。
毎日を新しい一歩のはじまりとして。

基本方針

1.新行動指針を基軸としたひとづくりとまちづくり
2.JC運動の拡大に繋がる会員拡大
3.JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力と出向者支援
4.時代に即応した組織運営
5.個々のメンバーの資質向上

はじめに〜個を高め絆を深めよう

 京都JCは「明るい豊かなまち・京都」の実現を不変のテーマとして掲げ、60年に及びその活動を続けてきました。戦後の混乱期に郷土復興の使命感に燃えて創立し、 以来連綿と継承されてきた先輩諸氏の歩みと活動に改めて敬意を表します。私たちは先輩諸氏が蓄積された京都JC60年の歴史と成果を礎として、さらなる熱い志と強い決意のもとで一致団結し 「明るい豊かなまち・京都」の実現に向け全力で取り組まなければなりません。

 京都は伝統的に住民自治の意識が高いまちです。明治初頭、全国に先がけて64学区からなる「番組小学校」制度を発足させ、明治維新後の衰退のなか学区ごとに住民たちが主体となったまちづくりを行ってきた歴史があります。 それを支えてきたのは、まちの未来に対する住民たちの危機感と、コミュニティーを形成する隣人たち同士の連帯感であり絆でした。わがまちを愛する人々の絆が、京都のまちの復興の大きな力となったのです。

 しかしいま私たちの周囲を見回したとき、家族は"孤族"、近隣社会は"無縁社会"と呼ばれる個が孤立化する社会状況に直面しているように思われます。極度な競争社会の進行が個を孤立させストレス社会を助長し、 その結果として他と接することを避け自分だけの世界にこもりがちな人々が増加しています。

 ここ京都でも地域差はあるものの、高齢社会の進展による独居老人の孤独死、雇用不安などによる貧困問題や家庭内暴力、そして児童虐待や育児放棄など、地域社会や家庭内でこれまでに無い深刻な事件が頻発しています。 家族・友人・企業内や地域社会のなかでひととひととの繋がりが薄れて隣人に無関心になり、お互いに言葉をかけ合うやさしさと思いやりが失われつつあります。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、千年に一度ともいわれる未曾有の被害をもたらしましたが、その一方で私たちがコミュニティーのなかで生きるうえで、忘れてはならない大切な教訓を与えてくれました。 愛する家族を失い過酷な避難所生活を余儀なくされるなかでも、被災者の方々の冷静かつ沈着な行動と、隣人を思いやる数多くのエピソードがマスコミ報道で伝えられ世界から賞賛されました。また国内のみならず世界各国から、 温かい励ましの言葉とともに多くの支援物資が寄せられました。私たちはそこに大きな感動と、苦難のときにこそ生きる力と勇気を与えてくれる「絆」の力を見たのです。

 「明るい豊かなまち・京都」を実現するには、私たち京都市民一人ひとりの積極的な社会参加意欲と、それぞれが所属するコミュニティー内でのひととひととの絆が大きな原動力となります。 私たちはいま失いかけているそれぞれのコミュニティー内での「絆」を再構築し、ひととひととの温かい交流を核としたコミュニティーの再生を通して「明るい豊かなまち」の実現に取り組まなければなりません。

 コミュニティー内での絆の強化の取り組みは、京都JCというコミュニティーにおいて私たち自身が取り組むべき課題でもあります。個々のメンバーが自己研鑽を積み、それぞれ相互に資質と能力を磨き高め合うなかで、 メンバー間の固い絆は生まれます。個を回復させる努力とコミュニティーを再構築する働きかけは表裏一体であり、同時に取り組むべき課題ではないでしょうか。私たちは「個を高め絆を深める」不断の努力を重ね、 新たな10年の歴史創造の土台となる運動を展開したいと考えます。

 笑顔はひとを輝かせます。ひとが輝けばまちが輝き、まちが輝けば日本も輝きます。そして、その笑顔を作るのがひととひととの緊密な繋がりであり「絆」なのです。私たち京都JCは会員相互の友情を糧として、 たゆまぬ自己変革の情熱を失わず、つねに社会貢献への明確な目的意識を持ちともに歩んでいきましょう。そして、自分たちのまちは自分たちで考え、自分たちが行動をおこし、自分たちで創造するという京都伝統の 市民意識を継承し、笑顔にあふれた明るい京都の未来づくりに取り組んでいこうではありませんか。

絆を拠り所としたコミュニティーの再生を

 2012年度は、これからの10年間を見据え策定した新行動指針「4 THE SHINING KYOTO〜輝く京都を目指して〜」を基軸とし、「コミュニティーの輝き」「ひと・まちの輝き」「京都JCの輝き」の テーマの具現化に向けて力強く事業を推進いたします。「ひと」の輝きを創造しながらひととひととの繋がりを深め、お互いが助け合うことによって安心して暮らせる、かつての京都にあった自主性と連帯感に富むコミュニティーを 再構築し、このまちを一層輝かせる運動を展開してまいります。

 私たちにとっては多くの場合、もっとも身近でもっとも大切な絆は家族の絆ではないでしょうか。まず家族同士の絆を深め確かめ合うことが、コミュニティーにおけるより強い絆の形成に繋がるのだと考えます。 今年度は行政・企業などと連携して家族の絆の強化を目的とした市民参加型の事業を新たに実施します。京都の文化・伝統、あるいは子育てなどをテーマに、より多くの市民の皆さんに参加いただき、 家族全員が同じ目標に向かい力を合わせることによって、家族の絆の大切さを感じていただく機会となるよう新たな事業を開催いたします。

 全メンバーが月1回集う例会は、私たちの運動の方向性を全員で確認する機会であり、メンバー相互の交流を通して友情を育み絆を深める場です。例会で得た学びや気づきをそれぞれの家庭や職場や地域に持ち帰り、 リーダーとしてのさらなる資質向上を図る機会としましょう。また一般市民の方々にも参加いただき、各界からのオピニオンリーダーを講師として、市民の方々とともに学び個を高める場としても活用していきましょう。

 メンバー同士の公私の垣根を超えた交流をより活発化させ、熱い友情を礎とした京都JCの絆の確立に取り組みます。志を同じくするメンバー同士がともに汗を流し、胸襟を開いて談論風発し喜怒哀楽をともに するなかで友情と絆は生まれます。メンバー同士、ときにメンバー家族同士の交流を深め、友情を拠り所とした絆を実感できる組織風土の形成に取り組んでまいります。

 来る2月にこのまちの未来を左右する京都市長選挙が予定されています。近年は、政治に関心はあるものの、それが投票行動へと結びつかない人々が増加する傾向にあり、投票率が著しく低下しています。 京都の未来づくりには一人でも多くの京都市民の政治参画が望まれます。市民一人ひとりが主権者たる責任を認識し、わがまち京都の未来創造に積極的な役割を担っていただくために、 京都のまちの生活課題を私たち市民がともに考えるマニフェスト型公開討論会を開催し、輝くコミュニティーづくりの前提となる政治参画意識の醸成に取り組んでまいります。

京都の特色を生かしたひと・まちづくり

 わがまち京都を想い、自発的・主体的にいきいきと行動する市民を育成し、世代を問わず一人ひとりが輝くよう、地域の特色を生かしたひとづくり運動を展開いたします。  わんぱく相撲では、長い歴史と伝統を持った日本の国技である「相撲」を通して、子どもたちに礼節を重んじる心と、相手に対する思いやりや感謝の心を育み、勝つことの喜びや負けることの悔しさを体験し、夢や目標に向かってあきらめない行動を続ける大切さを実感することで、青少年の健全な心身の育成を目指します。行政機関など関係各位と開催形態をいま一度検証し、京都府内全域からより多くの子どもたちが参加できるよう事前告知など発信力の強化を図ります。

 京都学生人間力大賞では、学生のまちという京都の特色を生かし、つねに真摯な姿勢で個を高める努力を怠らず、社会貢献活動に取り組む人間力にあふれる学生を発掘することを目的として展開してまいります。本年度は募集する学生の年齢層を広げるとともに、京都のみならず広範囲の地域で献身的な活動を続ける積極果敢な高校生・専門学校生・大学生・大学院生を対象とします。我々市民がこの事業を通じ、志高き学生の人生観や価値観を共有する契機としていただくとともに、より多くの人々に共感と感動を呼び起こすことで、まちとの絆を深め京都の未来づくりの原動力となる新たな人材の応援を行います。

 京都は山紫水明の豊かな自然のもとで、世界に誇るべき高度に洗練された伝統文化を創造してきました。その伝統文化は現在もなお、私たち京都市民の精神的な拠り所として受け継がれています。京都の有形無形の文化財をはじめとする豊かな社会資本に新しい価値を付加するとともに、このまちの伝統と文化をさらに守り生かすことができるまちづくり運動を展開していきましょう。

 次代の京都を担うべき子どもたちは昨今、知識の詰め込み教育が優先され、本来学ぶべき道徳心を育てる教育が見失われつつあります。京都JC文化少年団は、京都のまちの歴史を学びながら道徳心を向上させる事業として推進いたします。郷土愛・隣人愛・公徳心を育み、豊かな心と個の資質・能力を高める意欲を促すとともに、コミュニティーにおける絆の大切さを理解できる感性豊かな子どもたちの育成に取り組みます。

 京都JC60周年記念事業として、長らく休み鉾となっていた大船鉾復興の事業を進めてきましたが、今後もさらに長期的な視点で支援を継続し、ユネスコ無形文化遺産に登録された世界に誇るべき祇園祭のさらなる輝きを目指してまいります。
 東日本大震災に際し、私たち京都JCは発生後ただちに街頭に集結し救援物資を募るボランティア活動を実施いたしました。物流網が壊滅状況にあったなか、メンバーの協力によって緊急のネットワークを形成し、集まった250トンにのぼる救援物資を被災地に送り届けることができました。私たちの迅速かつ的確な行動が多くのメディアを通じて伝えられ、京都市民の皆さんから大きな賛同と信頼をいただく結果となりました。私たちの救援活動に対する想いをさらに発展的に継続するため、市民の皆さんに参加いただく被災者支援を目的としたチャリティー事業を行い、被災地の一刻も早い復旧復興のお手伝いをさせていただきます。

京都JCの会員拡大に向けて

 京都JCが京都のまちづくりを担う青年奉仕団体としてリーダーシップを発揮するには、メンバーの拡大が急務の課題ではないでしょうか。従来までの安定社会を支えてきた価値観が大きく変化するのに伴い、 京都JCに求められる社会的役割もさらに重要度を増しつつあります。京都JCが京都のまちとひとと社会にとって無くてはならない存在として、活力にあふれた活動を実践・継続していくためにはメンバーの増強が不可欠です。日本の歴史文化の集積地で重要な役割を担う京都JCならではの魅力をいま一度確認し合い、メンバー全員がそれぞれの立場から、明るい豊かな社会・京都の実現に向けともに汗を流し運動を推進する同志の拡大に取り組みましょう。

 会員拡大はメンバー全員が取り組むべき課題です。全員が一致団結してこの大切な課題に取り組むことが個の価値を高めることに繋がり、かつメンバー間の絆の強化に繋がるのではないでしょうか。正会員のみならず特別会員にご指導ご協力を仰ぎ、京都JC全体のネットワークを活用した積極的な会員拡大活動を推進いたします。

 大きな期待を抱いて入会を決意したフレッシャー対象のFTセミナーでは、「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」のJCの三信条をテーマとしたプログラムを通し、JC運動の基礎知識を習得していただくとともに、先輩諸氏の創始の精神と寄贈品に託された熱い想いを語り伝えメンバーとしての意識啓蒙を図ってまいります。入会したフレッシャーには、現代社会の豊かさを当たり前のように享受する自分を真摯な視点から見つめ直し、個を高め自らが秘める未知の可能性を発見し、京都JCに対する愛着と絆を深めることにより、京都を愛する想いを具体的にまちの発展へと具体的に繋げていく、高い志と行動力を持ったメンバーの育成を目指してまいります。

JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力と出向者支援

 京都JCは日本JCと時を同じくして創設され、日本JCとともにその歴史を刻みながら運動を展開してきました。その一環として日本JC、近畿地区(協)、京都ブロック(協)に出向者を送り、志を同じくする全国のメンバーと連帯を深め、友好関係の強化に努めてきました。出向者にとっては全国のJCメンバーと絆を結び合う活動のなかで、自己を成長させることができる貴重な経験となります。各機関に可能な限り多くの出向者を送り最 大限に応援するとともに、京都JCを代表するメンバーとして積極的な活躍ができよう力強く支援していきましょう。

 先輩諸氏がこれまで一丸となって支え協力してきた京都会議は、日本JCの運動の出発地として開催させていただく感謝と誇りを原点に、京都JCならではのおもてなしの心の一端を全国の参加メンバーに実感していただくとともに、それぞれの地域で確固とした運動展開に繋げていただけるよう協力してまいります。同時に市民、行政、企業に京都会議の趣旨と目的をより深く理解し積極的に協力いただけるよう、メンバー全員が周到な準備をし、一人ひとりが京都JCを代表する自信と誇りを持ってさらなる内容の充実化に取り組んでまいりましょう。

 国内外で開催される諸大会にも、それぞれが京都JCメンバーとしての気概と高い目的意識を持ち積極的に参加・協力してまいりましょう。国際大会や国際事業への参加は、京都JCが国際観光都市京都を代表する青年団体として京都の魅力を発信するとともに、世界の同志たちと交流を深め国や民族や文化の違いを越えてお互いのJC運動の新たな可能性を発見しあえる好機でもあります。また姉妹締結を結ぶパリJCとユンロンJCとの交流と友好関係をさらに深め、相互のJC運動の活性化に役立ててまいります。

時代に即応した組織運営

 私たちの理念と目的を実現するには、何よりも私たち京都JC自体がつねに輝きを放っていなければいけません。JC活動で事業を成すには、計画・実行・検証・報告のスムーズな運営が必要となります。各委員会の役割をいま一度見直し、効率的で効果的な組織運営を行うとともに、メンバー一人ひとりが思いやりと細やかな心づかいを持って達成感を実感できる活動・運営を心がけてまいります。

 今年度は公益社団法人格移行が予定されている年であり、いまこそ地域社会から信頼される公益性と透明性のある組織基盤を確立し、これまで以上に京都のまちで期待される責任ある組織としての運動を展開しなければなりません。そのため個々の事業と活動が京都JC全体の効果的な運動展開に繋がるよう、メンバーからの貴重な浄財の管理運用の徹底化を図ってまいります。

 私たちの事業により多くの市民の参加と共感をいただくためには、京都JCの認知度を高め浸透させるとともに、運動に関する情報を戦略的・効果的に発信することが望まれます。私たちの事業運営や活動の成果を、京都市民の皆さんに正確かつリアルタイムに報道していただくため、報道各社との交流を深めより円滑な友好関係の確立に努めるとともに、メンバー間の意志疎通と情報交換を活発化させることを目的とした新たなコミュニケーションツールの導入を検討いたします。

結びとして〜目的に向かってともに歩もう

 JCはいうまでもなく"究極の人間塾"であります。様々なJC活動を通じ自己研鑽に励み、より高い次元での人間形成を実現し、そこで蓄積された成果を自らが属する企業社会や市民社会に還元することが、私たちJCメンバーが果たすべき重要な使命であり役割であります。

 IT社会のなかでは、パソコンに向かえば居ながらにして様々な情報からいかなる知識も入手できますが、本当に求められるのは「知識」ではなく「教養」ではないでしょうか。教養とは知識と人格の総和です。豊富な知識に裏付けられた高潔な人格こそ、教養人と呼ぶにふさわしい境地だと考えます。私たちはメンバー全員が知識人ではなく教養人を目指し、自らの資質向上の努力を継続してまいりましょう。

 JCは研鑽の場であるとともに「出会い」の場でもあります。たくさんの出会いが自らの未開拓の可能性を磨き、未来への確かな夢をもたらせてくれます。メンバーとしてJCに属するのはわずか数年ですが、JCメンバーであることの自負と誇りを一生の財産としてメンバー間の友情と絆を育んでいきましょう。

 メンバー一人ひとりが資質向上に向けた意識改革を促進し、かつメンバー同士の心の交流を深め社会的貢献を果たしていく過程を経てこそ、京都JCが単なる義務やマンネリズムを超えた気高い志を原動力とする真の自主・自立の青年奉仕団体に成長していくのだと確信します。

 京都がこの数千余年の間その輝きを失うことなく放ち続けてきたのは、先人たちがそれぞれ都としての歴史と伝統を自覚し不断のイノベーションを追究し実行してきたからにほかなりません。私たち京都JCはその歴史と伝統を次代に継承すべく、京都のまちのさらなる輝きのためにメンバー全員の英知を結集して取り組んでまいりましょう。

 ひとは個を高める情熱と努力を失わない限り、必ず自らが掲げる目標に到達できるはずです。でも一人ではなく全員で同じ目標を達成すれば、その達成感は数倍にも数十倍にもなるはずです。  私たちはいまこそ全員がそれぞれの立場で、「個を高め絆を深める」努力をはじめましょう。そして個々の取り組みの成果を一つに結集させ、私たちの不変のテーマである「明るく豊かなまち・京都」の実現という目標に向かって歩みはじめましょう。 

 皆さんは近未来を想像できますか? いかなる逆風にも屈することなく「明るく豊かなまちづくり」という目的地への航海に、いまともに旅立とうではありませんか。

自己の秘めた魅力と可能性は自分だけでは発見できない。
目的地に向かって誰かとともに歩いたときに初めて見えてくる。

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