2016年度 理事長所信

溌剌たる青年であれ ~世界に誇るまち京都の実現に向かって~

基本方針
・明確な目標を共有した会員拡大と溌剌たる青年へ導く資質向上
・4 THE SHINING KYOTOを基に良心が拡がるひとづくり・まちづくり
・JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援
・市民から信頼される取り組みを目指した公益社団法人の運営
・創立65周年に関する事業の実施

はじめに

 未来を創るものそれは、私達の行動である。京都青年会議所には、未来を創る使命感と溢れる情熱をもって行動を繰り返した歴史があります。だからこそ「今」がある。その情熱を受け継ぎ、私達は未来の「今」を創るべく、新たな一歩を踏み出さなければならない。

終戦から4年後の1949年、日本はGHQの占領下にあり、公職追放令によってリーダーを失っていました。まさに、物心共に荒廃した時代に一人の青年が「新日本の再建は我々青年の仕事である」と日本の未来を創る使命感と情熱を抱き、青年会議所は産声を上げ、その運動ははじまり、全国へと拡がりました。そして1951年7月21日、全国19番目の青年会議所として私達の先輩は京都青年会議所を設立し、日本人の備える「良心」を積み重ね実践してこられました。創始に掲げられた「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」の三信条も、変わることなく脈々と受け継がれ、「明るい豊かな社会」の実現に向かって、運動を展開する私達の基軸となり、「今」の京都青年会議所に息づいています。
 日本の社会は、世界に誇る経済大国として発展を成し遂げ、京都のまちにおいても製造・観光などの産業が栄えることにより、国内外問わず訪れるひとで賑わい、物も豊かに手に入り経済は発展し拡がりをみせています。しかし、物の豊かさや経済の発展を追いかけることで自己中心的、利己的な行いが氾濫し、これまで日本人の備えた「良心」を積み重ねてきた歴史と共に忘れ去られた今、良心は息づき発展しているといえるのでしょうか。
「古き良き時代」、よく耳にする言葉です。いつの時代が良き時代であったのでしょうか。靴磨きをしていた少年の逸話があります。あるとき少年の前に一人の男性が来ました。ボロボロの衣服をまとい、顔も汚れている少年は一所懸命に靴を磨きました。磨き終わったあとで、その男性がパンを一つ与えたら、少年は食べずに懐にしまったのです。男性が「お腹がすいているだろう。食べなさい」と勧めたところ、少年はこう言いました。「家でお腹をすかせて待っている妹のために、このパンをもって帰ってあげる」。この少年の行動があたりまえである、そう言えた時代は間違いなく良き時代であります。「良心」から考えた良きことは、小さなことでもいいのです。私達にできることは、身近に多くあるのではないでしょうか。汗を流すことが敬遠される風潮ある時代でありますが、良心を行動に移し、汗を流すことが、元来の青年の姿であり、そこから良心は発展し、拡がりをみせるのです。
 私達の先達は経済大国を作り上げることで、日本の再建を成し遂げられました。私達が未来を想い描くには、何を頼りにしなくてはならないのか、これから先にも困難が起こりえたとき、道標にするべきものは何か、それは良心なのです。「良心」から考えた良き行いをすることは元来の日本人としての生き方であります。そして、私達が住み暮らす京都のまちには、町組や番組小学校制度を創ってきた歴史があり、それは京都の未来を想うまちの人々の「良心」から考えた良きことに挑戦し、成し遂げた結果なのです。良心の発展が京都の未来を創り、良心の拡がる未来、それは良心が溢れるまちであり、世界に誇るまち京都が実現されるのです。

溌剌としたひとが集うまちこそ明るい豊かな社会がある

世界に誇るまち京都を実現するためには、まず行動に踏み出す勇気が必要です。「勇気」それは自らを信じ溌剌とした良心から生まれます。溌剌たるひとが集うまちは、一人ひとりの力が集まり、大きなエネルギーとなって、より良い変化を起こします。また、新たな挑戦を生み、かたちとなってひとに喜びと自信を与えることがあります。良心をもって溌剌たる行動するひとを育む運動を、私達が心を込めて一つひとつ展開することで、まちのひとの心に前向きな灯をともし、それが伝わり、やがて溌剌としたひとで溢れるこのまちの未来こそ、世界に誇るまち京都であり、青年会議所の運動が目指す「明るい豊かな社会」のかたちであると私は思うのです。
京都青年会議所は本年、創立65周年を迎えます。この節目に、これまでの歴史を振り返り、軌跡をたどりながら、私達青年の運動がこれから更に進化する機会として捉えなければなりません。また、これまで先輩が積み重ねてこられたこと、つまり勇気をもって新たな挑戦に邁進し、汗をかき溌剌と活動してこられたことに感謝し、「今」私達が未来を見据え、新たな挑戦に邁進していこうではありませんか。そのためにも、まず私達が行動をしましょう。溌剌たる青年の存在が、周囲にとってどれほどの力になるか、青年の力による創造が社会を変え、国を変え、世界を変えたことは歴史が物語っています。勇気をもって新たな挑戦をする姿が、あなたの身近な環境を変化させ、このまちをより良くするはずです。私達が創造する運動が、国内外に拡がり、世界を変えるかもしれません。
創立60周年の折に発信された2010年代新行動指針「4 THE SHINING KYOTO」には、京都の特色を活かし、京都青年会議所が今後どのような運動を展開するべきかが記されています。5年が経ち、その指針に基づいた運動は着実に成果を上げつつありますが、指針策定時には予想しなかった未来を目の前にし、また地方創生を旗印に京都もその特色を活かし、私達の運動を更に進化させなければなりません。そのために、これまでの運動の成果を検証し、我が国や世界の未来を想像しながら、京都の未来を想い描き、「今」私達がなすべきことを見定める「4 THE SHINING KYOTO」の改訂を進め、発信して参ります。全ての原点は私達であり、まちの人々の先頭に立ち、良心をもって溌剌たる行動をすることが、新たな一歩です。私達が仲間と共に力を合わせ、世界に誇るまち京都を実現する旗手となろうではありませんか。

コミュニティーを導くリーダーを目指した会員の資質向上

 私達のまち京都には様々なコミュニティーが存在いたします。世界に誇るまち京都の実現に向け、良心の行動からリーダーシップを発揮しコミュニティーを牽引するリーダーが必要とされています。京都青年会議所はメンバー全員、資質向上に繋がる学びや気づきの機会があります。各分野で活躍されている方から学び、私達が実践や新たな挑戦の行動からコミュニティーを導き、現代のリーダーになるのは使命であり、次世代に溌剌たるリーダーを創るのも私達の使命なのです。京都青年会議所に携わったリーダーが社会を牽引し、世界に誇るまち京都の実現に向け行動することで、「明るい豊かな社会」の創造に近づくのです。
 月に一度メンバーが一堂に会する例会は運動の方向性を確認し、共有する貴重な事業です。会員相互の友情を築き、学びが深まる機会を通じて自己成長を感じることは、自らに活力を与えます。得られた活力から新たな挑戦ができる取り組みにして参りましょう。学び得たことは家庭や会社に持ち帰り、実践することが機会の提供に繋がります。身近なコミュニティーから活力を与え、私達が率先してリーダーシップを発揮して参りましょう。市民と共に学ぶ例会では、私達の行う運動への理解を深めていただくことが重要です。一人でも多くの市民が私達の運動を理解し協力していただける取り組みを進めなければなりません。世界に誇るまち京都の実現に向けて必要であることに取り組み、溌剌たる行動で運動を拡げて参りましょう。
 世界に誇るまち京都の実現には、志を同じくする仲間の拡大が肝要です。近年京都青年会議所のみならず、全国の青年会議所が会員の減少に悩んでいます。会員拡大が進まないのは私達の運動を理解されていないことでもあるのです。会員拡大こそ運動の拡大であり、拡大を成功させることが最重要課題であると考えます。メンバー全員が目標を共有し、私達の情熱を伝えると共に、経験豊富な先輩の力をお借りして、青年会議所の意義と魅力を伝える機会を設けて参ります。時代に即した仕組みづくりを会員拡大成功に向けて進めて参りましょう。
 入会を決意された同志には、正会員として積極的な活動ができるよう京都青年会議所の基礎知識や青年会議所の意義を知っていただくことが必要です。また、これまで64年間受け継がれてきた創始の精神を感じ、先輩の功績を知ることから学びと気づきを深めていだたく最も即したかたちをとり、溌剌たる青年の育成を目指して参りましょう。
 青年会議所に入会する前は、自分や自分のまわりだけが良くあれば良いと考えているのかもしれない。しかしながら青年会議所で得られる学びと気づきは、日本人の備える良心に勇気を与え、社会をより良くしようとする、溌剌たる青年となるのです。

4 THE SHINING KYOTOを基に
良心が拡がるひとづくり・まちづくり

 私達の住み暮らす京都は、政令指定都市制度の開始時に指定された大都市の中で、唯一と言っても過言ではない山紫水明の自然があり、「日本のふるさと」と呼ばれるように、伝統文化が数多く存在いたします。それらには技術や伝統を継承し続ける文化を守る精神性、教育の発展からまちの未来を想い、番組小学校制度を設立する行動力を備えていた、郷土意識高いひととまちであったからほかなりません。私達が世界からみる京都を知り、向かうべく未来のありかたを考え、郷土意識を高く、溌剌たるひとづくり、良心が拡がるまちづくり運動を進め、世界に誇るまち京都の実現に向かう相応しいひととまちを創造しよう。
 京都青年会議所は休み鉾であった大船鉾に船体木組み部分の寄贈をはじめ、復興に向け物心両面で協力をしてきました。2014年、150年ぶりに巡行復帰した大船鉾も本年で3年目の巡行となります。私達は本年度も巡行や諸行事に協力させていただくと共に、今後どのように関わることで、私達や京都のまちに新たな価値を見出すのかを考え、取り組んで参りましょう。
 本年度は、我がまちを牽引するリーダーとなる京都市長選挙があるほか、第24回参議院議員通常選挙が行われます。毎年のように選挙が行われる中、私達は政治参画意識と投票率向上に向け運動を展開して参りました。継続して取り組むことが市民の政治参画意識を高めます。更には参議院選挙から選挙権が18歳に引き下げられます。新たに選挙権をもつ年齢層の方にも政治参画意識を醸成できる取り組みを進め、投票率向上に繋げて参りましょう。
次代を担う子ども達が、京都の産業や伝統文化を誇りに思うことは感性を磨き新たな価値観を育みます。その価値観が郷土愛に繋がるよう取り組みを実施すると共に、団体行動から他を思い助け合う良心から公徳心や隣人愛を育んでいただきます。その取り組みが溌剌たる青少年の育成に繋がるよう、協力団体と一体となり取り組んで参りましょう。
わんぱく相撲京都大会は、日本を代表する競技の相撲を通じて、子ども達がお互いを慮る心と感謝する心を育むことから良心の発展に繋げると共に、一歩を踏み出す勇気をもった溌剌たる青少年の育成になるよう協力団体と連携し取り組みましょう。本年度は第30回大会となります。多くのメンバーが参加、協力できるよう取り組んで参りましょう。
 京都青年会議所は、人間力が傑出した学生や若者を12年間にわたって多く発掘し、顕彰をして参りました。学生のまちと呼ばれる京都において、学生が卒業後も京都のまちの様々な分野で活動できるよう愛着をもっていただくことで未来の京都を輝かせることを目的に、この事業ははじまりました。これまでの成果を踏まえ、培ってきた経験を活かすことで、新たな価値を生み出す事業の展開を検証し実践いたします。本年度も日本青年会議所・近畿地区協議会で行われる人間力大賞事業に協力し、京都のまちで人間力が傑出した溌剌たる若者を発掘し全国に発信することで、世界に誇るまち京都の実現に向け取り組んで参りましょう。  継続して取り組んできた愛の献血運動は、誰もが参加できる社会貢献活動です。良心の行動で協力いただいた方のみならず、多くの方に献血の重要性や社会貢献活動を理解していただき、良心が拡がる取り組みを進めて参りましょう。
近年京都においても、集中豪雨や台風による被害が多発し、大地震も発生するリスクが高まっている中、私達はこれまで取り組んできた防災事業で高めた意識と備えた知識をそれぞれのコミュニュティーで活かせるようリーダーシップを発揮し、災害発生時に直ちに行動に移し、被害が拡がらないように努めるため身近なコミュニティーから確りと組織を確立できる取り組みを進めて参りましょう。
 私達が行っている運動を多くの市民や他団体に理解していただくには事業に参加していただくことが最も効果的です。これまで京都青年会議所や事業の発信を、ホームページやSNSによる発信とポスターやチラシなどによる紙媒体で行って参りました。継続して発信することが大切なことであるのは間違いありませんが、加えて費用対効果を鑑み、事業別に効果的な発信を確り検証する必要があります。時代に即した広報戦略の仕組みを新たに取り入れることも視野に入れ、市民への認知度向上による京都青年会議所のブランディングを行って参りましょう。

JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援

 出向は他の青年会議所メンバーと交流し運動を進める中で友情を育み、出向だからこそ得られる新たな発見と経験を自身の糧とするだけでなく、京都のまち、何より京都青年会議所の未来を創る原動力となる素晴らしい機会です。だからこそ本年度も出向者を輩出し支援したいと考えます。何より青年の運動が一体感をもって我が国に拡がりをみせることに大きな意味があることを意識し、JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)が展開する運動を理解し、共働すると共に、各大会、諸事業にも積極的に参加しましょう。また姉妹JC、友好JCとの友情を深める機会をもち、その意義を肌で感じましょう。
特に元朗JCとは姉妹締結30周年を迎えます。更に友情を深め、今後もより良い関係が築けるようにして参りましょう。
 日本JCの年初を飾る京都会議は、京都青年会議所の歴史に大きく、深い関わりをもちます。半世紀にわたり私達の先輩が努力を重ね、支え続けて今があります。本年度も京都会議に協力できることをありがたく感じ、行政、まちの人々に協力をいただきながら、全国から入洛される同志を、メンバーの気持ちを一つにし、おもてなしの心をもってお迎えしましょう。そして京都の魅力を感じていただき、京都のファンになっていただけるよう取り組んで参りましょう。

結びとして

感銘をうけた書籍の一冊に「人生の結果は能力×情熱×考え方」と示されておりこれは「人生の方程式」だと世界を代表する実業家の稲盛和夫氏は言っておられます。
誰しも能力は備えており、能力を活かすのは情熱である。能力と情熱は考え方によって左右され利己的な考えだと優れた能力やそそぐ情熱があってもマイナスな人生でしかない。考え方がプラス、即ち良心に能力と情熱をそそぐと、何倍にも膨れるということです。
はじめの靴磨きの少年の逸話は、戦後、GHQの占領下であった日本人の少年で男性は日系二世のアメリカ兵との話です。親の祖国と戦った日系二世のアメリカ兵は「自分のなかにこの少年と同じ日本人の血が流れていることを誇りに思い、勇気を得た」と回想し語り伝えたそうです。日本人が備える「良心」から考えた良き行いをすることは、誇らしい日本人の姿なのです。
京都青年会議所に集う私達は、一歩を踏み出せる青年でなければなりません。未来を創る使命感と情熱を受け継ぎ、私達が力を合わせることで、目指す未来の実現へ向かいます。
世界に誇るまち京都に向かって、「今」。

踏み出す一歩「勇気」
溢れる想い「情熱」
備える心「良心」

「溌剌たる青年=勇気×情熱×良心」
これが世界に誇るまち京都を実現する私達の方程式です。