2015年度理事長所信

報恩謝徳 ~感謝溢れるまち京都の創造~

基本方針
1.感謝を原動力とした組織力強化と会員拡大
2.4 THE SHINING KYOTOを基軸とする、ひとづくり・まちづくり運動の推進
3.JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援
4.公益社団法人として相応しい組織運営

始めに

 私達の先輩諸兄は戦後の荒廃の中、日本の復興は青年の責務であるという使命感から青年会議所を設立され自らが住み暮らす地域の発展を願い「奉仕」「修練」「友情」のJC三信条を胸に歩みを進めてこられました。社会環境が変化する中で運動や活動の形は変われども、創始の精神と青年としての熱い情熱と気概は決して途絶えることなく受け継がれ、日本は今や先進国と呼ばれる世界でも恵まれた国の一つとなりました。
 しかし戦後からの復興と発展は物質的な豊かさを手に入れた反面、日本人の心は変化の一途を辿ることになります。目に見えないものに対する畏敬の念、年長者を敬い礼儀を重んじること、恥を知ること、そして感謝すること、そうした日本人が大切にしてきた精神性が少しずつ希薄になりつつあるのです。
2011年3月11日、私達は国を揺るがす大震災を経験し、大きな危機に直面します。なすすべなく大切なひとや財産を失った苦しみや悲しみの極限状況で人々に勇気を与え、心に復興の火を灯したものは何であったのか。それは、自分より相手のためにと利己を抑えた秩序ある行動です。そして、この苦しみや悲しみから、私達は忘れかけていた日本人の精神性を思い出し、改めてこの国とこの国の人々を誇りに思うことができました。
そして、日々のあたりまえと考えていた生活や人とひととの繋がりがあたりまえに存在するものではないことに気づくことができたのです。

報恩謝徳-感謝を原動力に-

 今、社会で最も期待され未来を背負うべき私達青年がしなければならないこと、無私の心でこれまで奉仕を重ね誰よりもひとの繋がりを大切にしてきた私達JAYCEEだからこそするべきこと、それは日本人の根底にある精神性を呼び覚まし、先達が築いたあたりまえではない有形無形の財産に感謝すると共にその恩に報いるべく、この国の未来を描き行動することです。この循環の根底は感謝です。ひとは一人では生きていけませんし、成長と発展にも繋がりません。それぞれが存在してあたりまえと考えがちな家族や仲間、会社はもちろん、自分を取り巻く環境を含め周りにある全てに支えられ、生かされていることを考えれば、その有り難さから感謝の心が芽生えます。そして恩恵に感謝する気持ちが多ければ、また深ければ周囲に伝わり大きな輪となり、今度はその感謝に応えようとする心が生まれます。そして、よりよい行動に変化し、更に前向きで心通う環境になるはずです。その先には、明るい豊かなまちとそこに住み暮らすひとの笑顔と幸福があると信じます。

京都の未来に繋ぐもの

 京都は日本の歴史と伝統文化、精神性を体現した誇るべきまちです。平安京建都以来1200年以上の長きにわたり様々なひとが行き交い、四季折々の豊かな自然の中で、独特の生活様式、伝統、文化、芸術、産業など時代に合わせて変化を繰り返し、発展と進化を遂げ今私達はその恩恵にあずかっているのです。特に先達が支え合い絆を深め、ひとの成長、まちの発展に尽くした精神性は一番に誇るべき財産であり、私達はその財産を繋いでいただいた先達に感謝しなければなりません。そして京都青年会議所は本年で設立64年目を迎えます。これまで先輩諸兄は創始の精神を大切にしながら常に社会を見極め、京都のまちとひとのために数々の運動を展開され、その活動から得た経験を大きな糧としてこのまちに尽くしてこられています。私達が属する京都青年会議所は、まさに報恩謝徳を繰り返してきた歴史があり、そして私達は紛れもなくこの恩恵にあずかっているのです。この歴史はあたりまえではありません。なぜなら京都青年会議所の歴史と伝統は、先輩諸兄が心を込め渾身の努力で築かれたものであるからです。まず私達自身が報恩謝徳の気持ちをもって、報恩謝徳の心が溢れる京都のまちを想い描いてみましょう。歴史と伝統=恩に感謝することを忘れず、その恩に報いるべく、青年だからこそできる溌剌とした活動を一つひとつ着実に積み重ね、多くのひとに伝えましょう。その行動こそが報恩謝徳溢れる心を伝えることであり、この積み重ねによって京都の未来、つまり明るい豊かなまち京都に必ず繋がります。誇るべき京都のまちとひとに心から感謝すると共に先輩諸兄が築いてこられた京都青年会議所に感謝し、このまちの未来を担うのは私達自身だという気概と自信、高い志をもって行動し次代にこの想いを継承しようではありませんか。

感謝を原動力とした組織力強化と会員拡大

 先輩諸兄が築いてこられた京都青年会議所の恩恵に甘え、あたりまえのようにルーティンワークをするのでは、私達の組織はおろか、効果的な運動が構築できず、従ってメンバーは成長することはありません。恩恵に感謝するだけでは、同じく何も生みません。私達の組織を強固にするのは、感謝から沸き起こるこのまちをよりよくしたいという熱い情熱と、組織をよりよくしようとする「私がやらずして誰がやる」という想いと覚悟、そして果敢なる行動です。それには、お互いが絶えず切磋琢磨する中で心の触れ合いを生み、絆を築き上げる環境づくりが必要であり、これこそが感謝を原動力とした強い青年会議所づくりです。
 月に一度メンバーが一堂に会し私達の運動の方向性を確認する月例会では、感謝を通してメンバーの心と行動を強くする機会とし、会員相互が切磋琢磨できる交流を通して志を同じうする仲間と絆を深め、感謝の気持ちが繋がる機会としましょう。また、感謝の気持ちをもつことの素晴らしさ、感謝の気持ちを伝えることの大切さ、感謝の気持ちが育む強さなど感謝の心を市民にも肌で感じていただき、そのことから過去の恩恵と未来への希望を繋げる機会にしましょう。またメンバーが青年会議所での学びと気づきを深め、自身の成長により効果を発揮することができる取り組みをしましょう。
 組織力強化と同じく青年会議所で最も重要な運動はメンバーの拡大です。なぜなら私達の運動を心を込めて伝え拡めるのはメンバーであり、一人でも多ければそれだけ運動が伝わり拡がるからです。まず青年会議所と活動する私達を理解していただくことが必要で、様々な手法をもって多くのひとに発信しましょう。そしてメンバーの身近な環境や先輩諸兄の中に対象者がいるかもしれません。その発掘を戦略的に進めましょう。またメンバー一人ひとりがより一層拡大の意識を持てるよう、年間を通してその必要性を訴え、会員拡大に成功しているLOMの手法を参考にし、メンバー同士が共有できる取り組みを進めましょう。
 京都青年会議所に入会を決意した入会対象者にはフレッシャートレーニングセミナーを開催し、京都青年会議所の基礎知識、ルールとマナー、歴史を学び、寄贈品に対する意識啓蒙を通して、先輩諸兄に感謝すると共に青年会議所の魅力と脈々と続く先輩諸兄の志を実感することで、入会後積極的に活動できるよう、これらのことが対象者に十分伝わる工夫を行い、フレッシャーを温かく迎え入会に導きましょう。そして、配属された後も存分に活動し成長できるようサポートして参りましょう。

4 THE SHINING KYOTOを基軸とする、ひとづくり・まちづくり運動の推進 

 京都青年会議所は、これまで明るい豊かなまち京都に向けて真摯に向き合いひとづくり・まちづくり運動を展開してきました。本年度も2010年代行動指針である「4 THE SHINING KYOTO」を基軸にひとづくり・まちづくり運動を展開して参ります。また、来たる65周年に向け、感謝溢れるまち京都を目指し、これまでの活動成果を十分に検証した上で、今後の更なる前進に向けて進化した行動指針を構想いたします。
 昨年の祇園祭において京都青年会議所が60周年記念事業として船体木組み部分を寄贈した大船鉾が150年ぶりに復活しました。長年祇園祭を繋いでこられたこと、そして私達も繋がりの一役を担えたことに感謝し今後も巡行をはじめ諸行事に協力して参りましょう。
 京都に住まう子ども達が自分達のまちの誇るべき技術や伝統、文化を学び、魅力を感じ、先達が築いた恩に報いる気持ちを育むことで京都のまちの財産を次代に繋いでいけるよう、京都JC文化少年団を実施いたします。
 人間力大賞事業はこれまで11年間継続し、多くの傑出した人間力溢れる次代の担い手を顕彰してきました。これまでの受賞者、エントリー者との繋がりと京都青年会議所のネットワークを十分に活かし日本JC、近畿地区(協)の人間力大賞事業に協力し、京都の傑出した人間力溢れる人材が全国に発信されるよう努めて参ります。
 わんぱく相撲大会では、子ども達が我が国を代表する競技である相撲を通して、お互いを慮り讃え合うことで青少年の健全な心身を育成すると共に身近なひとに支えられている恩恵に感謝する心を育めるよう、協力団体と連携し取り組んで参りましょう。 本年度は統一地方選挙が実施されます。市民が感謝溢れるまち京都を実現するための政策を判断し、有権者の選挙における投票率向上に繋がるよう取り組んで参りましょう。
 防災に関わる事業では、近年京都でも発災する水害をはじめ災害に関する知識を高め、市民の防災意識を向上すると共に地域で助け合う心がまちに拡がるよう取り組んで参りましょう。
 愛の献血運動では、献血の重要性をまちの人々に発信し、助け合いの心を拡げると共により多くの方々にご協力いただけるよう取り組んで参りましょう。

JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援  

 青年会議所には、長年の活動で構築された繋がりにより、全国の同志との出会いや交流を通して京都青年会議所では得られない学びや気づきを得られる出向という素晴らしい機会があります。その恩恵に感謝し本年度も出向者を輩出することで、出向先での活動が自身の成長や全国の同志との繋がりを強化する絶好の機会とすると共に多くの学びや気づきを持ち帰り、京都青年会議所の組織力強化に繋がるよう支援して参りましょう。
 JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)の諸事業には、その開催意義を理解し積極的に参加することにより、学びや気づきを得ると共に同志との繋がりを構築する有意義な機会といたします。協力においては、京都の魅力を国内外の多くの人々に発信できるよう取り組むと共に出向先で活躍するメンバーを応援して参りましょう。特にJCI世界会議金沢大会においては、世界との友情を育むと共に京都の魅力を発信する絶好の機会と捉え、参加・協力して参りましょう。
 これまで先輩諸兄が日本JCと心を一つにし、繋いでこられた日本JCの年初を飾る京都会議が本年度も開催されます。私達は京都会議に協力できることがあたりまえではないと再確認し、その恩恵に感謝し、全国から入洛された同志がそれぞれの場面で目的を達成し、京都での滞在が実り多きものとなるよう、行政や市民にもご協力をいただき「おもてなしの心」を発揮し一致団結して運営協力して参りましょう。

公益社団法人として相応しい組織運営

 京都青年会議所は、このまちに根ざした運動を繋ぎながら、継続的に組織の進化を目指し活動して参りました。また時代の要請に応えるべく公益社団法人格を取得し、本年度4年目を迎えます。これからも京都のまちに必要とされ、市民から一層信頼される組織を目指し、内外を問わず情報の透明化と共有化をはかりましょう。財務運営では、メンバーからあずかる貴重な財源を有効に活用できるよう、公益法人に求められる会計基準を理解し、適正な会計処理を行います。また、より効果的な組織運営と費用対効果が得られているか、事業構築ができているかを、様々な意見を取り入れながら常に改善を繰り返し、これらの取り組みをメンバーが理解できるよう進めて参りましょう。
 広報活動では、市民に私達の運動を広く知っていただき、共感していただけることを第一に進めましょう。そのために、利便性が向上した各種情報伝達ツールの特性を踏まえ、メンバーのみならず市民が、私達の運動や活動の最新かつ正確な情報を得ることができるよう取り組んで参りましょう。またメンバーの活躍や想いを生の声で発信できる取り組みも進めましょう。

結びに

 8年前、私は毎月法要をお手伝いしていた大徳寺で、茶道師範の大屋一幸というひとに出会いました。仕事の傍ら四国八十八ケ所の巡礼をされていた彼は、東日本大震災の直後、日々の生活が永続的に存在するわけではないこと、またその生活は多くのひとによって成り立っていることを改めて気づき、その感謝の念から、自分の一歩がひとの幸せに繋がるという想いを込めて、日々歩いた歩数の分だけ被災者へ義援金を送り支援に繋げる「一歩一幸」という活動をはじめました。日々歩けることの幸せを噛みしめ、被災者の長引くであろう震災復興に継続的に支援する活動に、私も心動かされ、活動の起ち上げと普及に協力し、賛同する仲間と共に歩みはじめました。
 私達が活動する時には信じ合う仲間がいるはずです。そして京都のまちやひととの多くの関わり合いがあってこそ活動できると改めて気づき感謝した時、一歩を踏み出す勇気となります。あなたの一歩がたとえ小さな一歩でも、仲間と歩く一歩は大きな一歩となるでしょう。同じ志のもと共に歩む仲間がいることに感謝し、誰かの幸せに繋がるという気概をもって一歩を踏み出しましょう。

私の一歩が、あなたの一歩が、
誰かの幸せに繋がるのです。
大切なひとのため、愛するまちのために
その一歩に想いを乗せて
さあ、共に大きな一歩を歩み出そう。